大学の特色を知るには絶好の場所となる博物館
先日、テレビ番組で学校法人城西大学の東京紀尾井町キャンパス3号棟の地下にある水田記念博物館の大石化石ギャラリーが紹介されていました。同施設は、白亜紀の水棲生物の化石が展示され、水の博物館ともいわれています。
とりわけ目を引くのが、世界に2体しかないといわれている約1億年前のワニの化石とシーラカンスの化石。さらに今も生存するゴキブリやトンボの化石も興味深く、凝った館内の照明も相まって化石の世界にとっぷり浸れます。
残念ながら、ここもコロナの影響で現在は休館中ですが、ネットでも紹介されているので、オープンキャンパスと併せて覗いてみると、学問意欲に火がつくかもしれません。
そこで、ここでは大学の運営する博物館をいくつかご紹介しましょう。
学校法人城西大学/水田記念博物館
ブラジルやレバノンで採集された約1億年前の白亜紀の魚類化石のほか、アメリカやヨーロッパの古生代の魚類化石、さらには植物、昆虫、甲殻類、爬虫類といった化石も展示される充実ぶり。
世界で2点だけ存在が確認されているワニ類の絶滅種の全身骨格化石、2016年に新種のシーラカンス化石として報告されたワイティアオオイシイも展示。恐竜の体表の色などの謎に迫る貴重な発見とされる中国遼寧省古生物博物館提供の羽毛恐竜コーナーも見応え十分です。
明治大学/明治大学博物館
東京都神田駿河台1丁目の明治大学アカデミーコモン地下1階にある博物館です。大学史展示室、考古学部門などテーマ別に分類された展示物はどれも興味深く、時間を忘れて楽しめます。
国学院大学/国学院大学博物館
國學院大学博物館は日本に1体しかないといわれている「挙手人面土器」や炎のような装飾で目を引く「火焔型土器」などを所蔵。その数10万点以上という圧巻の収蔵物が自慢だけに、展示内容は充実そのもの。同施設は大学の遠隔、考古学、神道の主に3つのテーマに分けられ、国学院大学の設立の背景も知れ、同大学を受験する人には貴重な情報源にもなりそうです。
国際基督教大学/国際基督教大学博物館・湯浅八郎記念館
国際基督教大学の初代学長岩佐八郎の貢献を記念して開館した博物館。江戸時代から大正時代に使用された食器類、筒描染や絣などの染織品、菓子型の木工品など岩佐八郎から寄贈されたコレクションをはじめとした約7000点を収蔵。
また大学敷地内の遺跡から出土した先土器時代から縄文時代にかけての土器・石器類のほか、歴史的美術品などの一部が展示されています。2階の特別展示コーナーは3か月単位で企画展示が催されます。
東京家政大学/東京家政大学博物館
同館は明治から昭和にかけての生活や衣類に関する約2万点の資料を所蔵。中でも目を引くのが歴代の学生たちが作った衣装のミニチュア版。重要有形民俗文化財に指定されているといわれるだけに明治、大正、昭和の人々がどんな服を着ていたのかや、時代時代のデザイン性などがわかってとても興味深い時間を過ごせます。
東京農業大学/食と農の博物館
建築家・隈健吾の設計した同館の1階には、クリオネの生体や二母生マウス「かぐや」、世界のリン鉱石、クラシックトラクターなど希少価値の高いものが展示されています。さらに2階には、鶏の剥製、日本の酒器、古民家、古来の農機具など、農業国・ 日本の原風景に触れられます。
日本大学/生物資源科学部博物館
同館の特徴は、なんといっても大型動物の骨格標本などが、ガラスケースに収められることなく展示されているところ。本物の質感は他では決して味わえない迫力。また貝類をはじめとした海産無脊椎動物、魚類の標本、アラスカの植物や生薬、パプアニューギニアの民間薬用植物など、展示物は多岐に渡り、見るものを飽きさせません。さらにイベントホールでは、実物の骨に触れられるコーナーや顕微鏡を使って骨を観察できるなどのイベントも行われています。