なるため! 日本語教師その⑧

日本語教師の将来性

教師はただ教えるだけでなく、生徒一人ひとりの成長ぶり、習得レベルを確認することも求められます。中でも大きな仕事がテストの作成や採点です。

一昔前は全てが手作業で多くの残業を強いられたものですが、今どきは問題作成も採点もコンピュータがかなりの部分を負担してくれますし、大手の教育機関では、AI導入が検討されるなど、教育現場の環境改善、高度化が盛んに進められています。AIは採点だけでなく、教えることも可能になってくるでしょうから教師の将来に一抹の不安を覚えるひともいるでしょう。

そこで、日本語教師の未来を探ってみました。

日本語教師の需要は右肩上がり

日本の少子化は政府のテコ入れにもかかわらず、まったく歯止めがかかっていません。将来的には働き手、つまり労働人口が減少しますので、業界を問わず人手不足になるのは必至。

すでに建設業界や飲食などで単純労働者として外国人労働者の雇用が行われてますが、不法就労、人権問題など、頭の痛い問題は山積みで、積極的に行われてこなかった局面もありました。

しかし、少子化の一方で進む高齢化が介護、看護現場の人材不足に拍車をかけ、条件付きで外国人の労働者の受け入れが進められ、国はもとより、産業界全体がその推移を見守っています。

実際、最近では看護師、介護士現場で外国人労働者の姿をよく見かけるようになってきました。また、語学学校のネイティブ教師や、外国と貿易をする企業が外国人営業マンを雇用するケースやホテルや飲食業でも外国人の雇用が増えています。

この傾向は通訳や翻訳などの現場に明るい兆しをもたらしているといっていいでしょう。

実は、外国人の受け入れには一定の条件があり、看護師といった有資格者であることと、語学力、つまり日本語が不可欠とされているからです。

日本の大学や専門学校への進学や日本企業への就職などで日本語を勉強する外国人は、新型コロナ前のデータによると国内で約24万人、海外で約400万人に上るといわれています。こうしたことからも日本語教師の需要はますます高まると期待されているのです。

AI教師は誕生するか?

自動運転の車を始め、様々な業界でAIの取り組みが試されています。こうしたニュースを見ると、いよいよ人工知能時代の到来に現実味が帯びてきます。確かに人の能力では大きな負担になっている場面や、面倒くさい仕事の場面ではAIの登場は私たちの暮らしを楽にしてくれるのですから期待されるのももっともです。

それでは、教師の仕事はAIにとって代わられるのでしょうか。生徒の一人ひとりの性格や成績をデータ化して分析するのはAIの得意とするところですが、生徒の心の動きやその日の気分をAIは学べるでしょうか。とりわけ、日本語学校で学ぶ言葉は人と人とのコミュニケーションを図るためのものです。つまり、文章や会話は人の性格や感情など、人の心や感情。生徒を点数だけで見ることなく、個性や性格、そして、一人ひとりが抱える悩み事などに寄り添ってやれることは生身の教師ならではのことでしょう。現在のところAIの役目は、あくまでも補助に過ぎません。

こうしたことからも日本語教師の仕事は将来的にも需要の高い職業であり続けるとみられています。

タイトルとURLをコピーしました