千葉県市川市にキャンパスを置く千葉商科大学。東京・巣鴨に設立された巣鴨高等商業学校を源流とする大学で、学生を主体にした取り組みはこれまでも度々注目を浴び、実践的学問が身につくと広く知られている。
読売新聞2月8日の朝刊では、学生ベンチャー食堂にスポットが当てられ、その活動内容がイキイキと報じられた。読売新聞によると、実学教育を重視する同大では、実践的な学びの一環として、起業経験を積める学生運営の店舗をキャンパス内に3軒設け、プレゼンを通過した学生に運営を任せているという。
昨年11月にオープンした中華食堂「新天地」は、商学部2年生のSさんが運営するラーメン店。看板メニューは坦々麺と塩ラーメンといい、いずれも学生の財布に優しい500円という価格を設定。4人のアルバイトを雇い、調理、接客、会計、仕入まで一貫して行う。これにより、簿記の授業は営業時間は平日午前9時から午後2時まで2時。簿記の授業は実践的なものになり、また、宣伝やメニュー開発などは、マーケティング学習に大いに役立っているという。
新型コロナウィルスの影響で思い通りの事業展開はできてないというが、Sさんは成功も失敗も全部自分に返ってくるそこが面白いとやりがいを語っている。
学生ベンチャー食堂は、島田治郎前学長が発案した取り組みで、収支計画や衛生管理について学内の選考会を通過した3店舗が出店権利を得るという仕組み。飲食店に必要な食品衛生責任者資格の取得や税務署への提出等必要な1連の手続きも学生が行う。
出店期間を更新できるかは、大学が経営成績をチェックした上で判断する。テナントや高熱費は大学が補助するため一般店舗には有利だが、他の学生食堂や学外の飲食店とも厳しい競争にさらされるという。
大学で資格を目指すというのも有意義な目標ではあるが、起業経験を積めるというのは、そうできない実践的な学び。千葉商科大での学び、検討してみる価値大といえよう。