総合型選抜徹底解説 その①

AOから総合型選抜試験とその名を変えた大学入試試験

偏差値に自信のない人にとって福音となる試験と受験者が年々増えています。さらに最近では東大をはじめとした国立大学でも導入が進み、私立大学に至っては6割近くが推薦、もしくは総合型選抜試験での入学だといわれています。それにもかかわらず、人物本位で選抜するという、これといった基準のない試験方法だけにその実態は今ひとつ見えにくいとの声が少なくありません。そこで、ここで総合型選抜試験について連載を始めていきます。

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偏差値に自信のない人向けの救済試験

総合型選抜って何?

大学受験というと、付きまとうのが偏差値です。あのアイドル○○大学だって。可愛いだけでなく、偏差値も高いんだね。天は二物を与えてんじゃん!そんな声がそこここから聞こえてきます。一時代前、受験生のお父さん、お母さん時代の大学入試といえば、英単語、化学式、歴史の年表の丸暗記に英語の長文、漢文の読解に没頭、文字通り、4当5落(4時間しか寝ない人は合格、5時間寝ちゃった人は落第という受験の厳しさを物語る例え)の勢いで勉強に取り組んだものでした。たくさんのことを機械的に頭に叩き込み、1点でも多く点数を取った者が勝者という試験でした。

確かに、たくさんのことを覚えられるのは効率的に脳を使っている証拠ともいえそうですが、大学では覚えることより、分析力や発想力といった、記憶とはまた違った脳の使い方ができることが求められます。

そこで登場したのが「総合型選抜」という入試です。この試験はあくまでも人物ですから一切筆記試験のない大学もめずらしくありません。あったとしても、面接当日に小論文を課すだけという学校も多くなっています。

しかし、普通の試験問題ならば、それこそ小学生の時から慣れ親しんできているわけですから、解ける、解けないに関わらず、どんな形で問題が出されるのか想像つきますが、あなたという人間の総合力が問われるとなると、どんな問題が出され、どう答えればいいのかピンときませんよね。国語や社会のように、これが正解というのがあるわけではありませんから、不安になるのも確かです。

そこで総合型選抜試験の概要から説明しましょう。

総合型選抜で評価するもの。
高校の成績
英検やTOEFLなどの資格
スポーツをはじめとした競技大会や各種コンクールでの実績

総合型選抜試験では、偏差値を重視しないとはいうものの、成績が良いに越したことはありません。一つの評価材料として学校の成績も査定されます。ただ、それだけで合否が決まるわけではありません。総合型選抜は文字通りあなたを総合的に評価する入試です。あなたという一人の人間を総合的に見て、その大学・学部に合っているかどうかが判断されるのです。

それはスポーツや英語検定といった資格についても同じ扱いで、一つのポイントにはなりますが、判断才良の一つでしかありません。

つまり、学校の成績が今ひとつでも、得意スポーツもなければ資格がなくとも、これまで一生懸命やってきたことを上手にアピールでき、それが将来的な成長につながると試験管に印象付けられれば、大学入学の切符を手にできるのです。

総合型選抜試験では、英語や数学、国語、社会科のようにこれが正解というのはありません。また、大学ごとに評価ポイントは異なりますし、同じ大学でも学部で違った評価をするケースもあります。

そんなんじゃ、対策のしようがないと絶望感が漂ってしましそうですが、判断に多様性があるということは、あなたを高く評価してくれる大学もあれば、そうでもない大学・学部もあるということです。総合型選抜試験で大事なことは、いかに、あなたを高く評価してくれる大学を見つけるかにかかっているのです。

わかりやすくいうと、国際の名のつく大学、学部では、英検の資格を持っているなど、語学力に優れた学生や海外経験豊富な学生を高く評価する傾向があります。もっと、平たくいえば、あなたが子供のころから昆虫が好きで、図鑑をよく眺めていたし、昆虫採取で海外に行ったこともあるとなると、それが強みとなるわけです。

いや、昆虫採集はしたけど、父や母の田舎でという人もがっかりしないでください。それでも一向に構わないのです。大学に入ったら、もっと珍しい昆虫を探しに海外の森を目指したいという将来的展望を上手にプレゼンテーションすれば、合格することもできるのです。

ただし、そういった強みがあるからと闇雲に「国際」のつく大学・学部を選んではいけません。大学によっては、やはり、英検を重視することもあれば、海外経験を高く評価する傾向が強い大学もあるからです。そんな大学を海外を知らない昆虫好きの高校生が受験しても門戸はなかなか開けません。将来性を高く評価する大学を選ぶべきでしょう。大事なのは、いわゆる相性のいい大学を探して選ぶことです。大学・学部のことを理解して、いかに自分がその大学・学部に合っているかということをアピールしていくのが総合型選抜なのです。

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