なるため! 通訳その①

「なるため」とは!

このコーナーでは、将来どんな職業に就くのか。その職業のプロに「なるため」にどの大学、そしてどんな学部を選ぶのがいいのかを多種多様の職業に応じて紹介します。

その1回目は通訳になるための学部選び!

通訳になるための学部選びとなると、外国語学部やコミュニケーション学部、英文学などの外国文学部などをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

しかし、通訳の仕事は商社などの外国の国々とビジネスをシーンでの通訳、サッカーや野球などのスポーツに必要な通訳、教育現場、音楽、映画、百貨店などの店舗、観光関連など、仕事の数と同じだけ通訳の仕事はあるといえます。

選んだ学部の専門を通訳する

つまり、通訳を目指すなら一般的な外国部などを選ぶのも一つの選択肢ですが、学部の専門性を生かした通訳を目指すという選択肢もあります。

どんなに有能な通訳者でも、なにからなにまで通訳することはできるものではありません。観光には観光、貿易には貿易、スポーツにはスポーツ、音楽には音楽の専門通訳がいます。自分はどんなことに興味があるかを探り、その分野の専門性を高め、より良く、より詳しく通訳できると仕事も、それに応じて増えてきます。

重要なことは、通訳は通訳することを母国語、つまり日本語でしっかりと理解する必要があることからかなりハードルの高い職業といえます。

大学や学部を偏差値で選ばず、自分が好きなことが学べる学部を選ぶ

だからといって早々にあきらめてはいけません。自分が好きな分野であれば知識をつけていくのはそれほど苦ではないはずです。部活動で野球をやってきた人は、改めて野球のルールを勉強する必要はありませんし、試合の戦略や作戦も分析することも苦ではないはずです。あとは野球で使われる外国語を勉強すればいいということになります。もちろん野球の通訳ができるようになったら、次はサッカー、そしてバレーボール、バドミントン、テニスと幅を広げていくこともできます。経験を少しずつ積み重ねて徐々に幅広い分野の通訳を任されるようになっているという先輩も少なくありません。

好きだからこそ、スキルの高い通訳になれる

自分が好きなことが学べる学部を選ぶ。ここでも言えるのは偏差値で大学や学部を選ぶのではなく、自分が興味のある学部、自分が勉強したい学部を選ぶのが基本となります。そうして選んだ学部で学ぶことが、通訳になるために大きなアドバンテージになるといえます。

通訳になるための勉強

規制緩和などで通訳の資格がなくとも仕事は出来るようになりましたし、また企業等に通訳社員として入社するケースや外注通訳として派遣雇用されているのが通訳業界の実態です。

しかし、自分の力を示すためには資格取得は欠かせません。通訳の資格としては「通訳案内士」という国家資格、そして民間資格の「ビジネス通訳検定試験(TOBIS)」があります。資格は自分の実力を売り込むに欠かせないことから多くの通訳者が取得しています。

国家試験の「通訳案内士」とは

通訳案内士の資格試験は国土交通省主管の国家資格です。この資格があれば、正式に報酬を受けて、外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすることが許されることから旅行会社に就職するのに有利ですし、フリーの通訳者としても旅行会社から信頼される材料となります。近年では観光客の増加とともに規制緩和され、この資格がなくともガイドができることになりましたが、それでも観光通訳の実力を示す証明にはなります。

対象となる外国語は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語で、1次試験では語学能力に加え、一般常識レベルの日本の文化や地理、歴史、産業、経済、政治などについての試験、そして2次試験は通訳案内に関しての口述試験があります。

通訳の力を示す民間の通訳試験

グローバル化時代に欠かせない通訳の仕事ですが、通訳者それぞれの実力にはばらつきがしばしば問題となっています。そうしたトラブルを解消するために活用されているのが特定非営利活動法人の通訳技能向上センターが運営するビジネス通訳検定試験のTOBISです。

試験内容は、筆記・逐次通訳試験のほかに、同時通訳試験が実施され、1級、2級、3級、準3級、そして4級までの5段階となっています。

この試験は英語の力だけでなく、ビジネスに関する知識も試されることから、即戦力のある通訳者としての証となる資格といえます。

実際のビジネスで活躍できる基準として、ビジネスに必要な基礎があるという基準の逐次通訳2級以上となっています。

英語以外の言語の通訳の市場

通訳のニーズが多いのは英語で、観光通訳の分野では、その7割を占めていまが、今後は数多くの国々から来日することから中国や韓国、ベトナム、タイなどアジアの国々の言葉も必要となり、通訳のニーズはますます高まっていくとみられています。

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