なるため! 通訳その⑤

通訳になるための体験談

通訳になるのに有利な学部は直接的には英文科などの言語学科、国際関連学科などですが、専門分野に特化した通訳となるとその限りではありません。そこで、英語の通訳になった先輩の体験談を紹介します。

偶然に始めたバイトが通訳になるきっかけ

横須賀の高校に通っていたことから横須賀の在日米軍基地でアルバイトするのは、社会人のみならず高校生、専門学校や大学生など、誰もが日常的でした。そんな環境から高校1年生の夏休みから在日米軍基地でのバイトを始めました。米軍基地内には軍の施設以外に、住宅や学校、娯楽施設、スーパーマーケット、レストランと一つの街を形成しています。

そこでのバイトは主に住宅のペンキの塗り替え工事でした。実際にアメリカ人家族が住んでいる住宅の外装ということで住民と会話を交わすことがあり、当初は身振り手振りでコミュニケーションを取るのが楽しくもありました。特に相手が同年代だとなんとなく心が通じ合ったような気もしました。

もちろん、住民からの質問や苦情は正式の通訳がいたので問題はありませんでした。でも、通訳と住民が話している光景を見て、こんなに外国人と自由に話せたらいいなという思いが次第に高まり、将来通訳になりたいと思うようになりました。

その後も、夏休みなどの長い休みは、ペンキ職人としてアルバイトで米軍基地に通うようになり、それなりに英語が身近に感じるようになりました。

在日米軍基地での仕事を長くすることで正式の通訳とも仲良くなり、将来通訳になりたいと相談したところ、いろいろと教えてくれるようになりました。

通訳になるために英文科を目指す

大学進学は英文科に決め、大学中も米軍基地でアルバイトを続けました。その頃になると仕事の段取りも覚えたことから住民に簡単な工事の進め方などは説明できるようになり、アメリカ人の検査官などにも簡単な話は出来るようになっていました。

さらに英文で書かれた工事仕様書や図面なども読ませてもらえるようになり、自分なりに訳すことができるようになりました。ここで一番役立ったのは、自分がペンキ職人として働いてきたことで現場のことが理解できていたことから、多少英語の単語の意味が分からずとも仕事内容からその意味を察することができるようになっていました。

ペンキ職人としてだけでなく、いろいろな職種を経験することが大切だと知り、電気工事、配管工事、建設工事などの現場でバイトを経験したことで、大学を卒業するころには通訳としての力量はかなり高いものになりました。もちろん、大学での英語の成績も上がったこともあり、無事卒業し、米軍と取引のある建設会社に通訳として採用されました。

通訳としてキャリアアップするための策

高校や大学の勉強は大切ですし、英語専門の学校や留学もいいでしょうが、身近にある米軍基地で生きた、しかも仕事に通じる英語を勉強できたことは幸運でした。

通訳を目指す皆さん、大使館や在日の外国の企業、飲食店、貿易会社、航空会社、旅行代理店などでアルバイトすることをお勧めします。多少、アルバイト代が安くとも、将来的にはずっとお得ですよ。

そして、経験だけでなく、外国の映画やドラマ、書籍、スポーツ、文化、歴史、宗教、経済、宇宙工学、科学、化学、地政学、医療関連など、片っ端から勉強することが通訳の幅を 広げますよ。

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