なるため! パイロットその④

新人パイロットの仕事

航空会社では、パイロットや客室乗務員のほか、営業、予約、整備、運行を管理する部門など、多くの人が働く部署があります。安全な運行と過密なフライトスケジュールを維持するには各部門との緻密な連携が不可欠ですから、それぞれの部門について深く知ることも大切です。

そうした知識は入社後すぐに行われる研修でしっかり身につけます。その研修期間は、パイロットを目指す社員も地上勤務となり、航空会社の社員としての基本を学んでいきます。

パイロットを目指す社員の研鑚はその後も続き、繰り返しの訓練の中で航空に関する多くの知識と技術を身につけられるのです。

地上勤務は大きく分けて、事務系と技術系に分かれます

事務系の仕事は、搭乗手続きなどの空港の接客業務です。チェックインカウンターで航空券の発券、座席の指定、乗り継ぎ案内などの業務を行います。

さらに搭乗客の荷物を受け取り、危険物などが入っていないかのチェック、介助や支援の必要な乗客の対応、搭乗に遅れそうな客の対応、そして荷物紛失等など、さまざまなトラブルの処理にあたります。

技術系の仕事は、ほとんどが航空機の整備部門での仕事

一口に整備といっても、さまざまな業務に分かれています。各空港で到着した航空機を出発までに点検・整備する「運航整備部門」、機体を格納庫に運び入れて定期点検・整備をする「機体整備部門」、航空機の精密な電子機器や計器など装備品の点検・整備をする「装備品整備部門」、そして、航空機の心臓であるエンジンを点検・整備する「原動機整備部門」などがあり、多くの専門知識が必要です。

また、「整備計画の策定」や「航空機の構造・機能・性能に関する技術的方針の決定」「航空機部品の調達・管理」といった業務もあります。

一方で、人事、広報、総務、経理など一般企業同様の仕事もあります。こうしたさまざまな部門や職種の人たちとコミュニケーションを図るスキルは、安全運航を求められるパイロットにとって不可欠な知識です。

パイロットの日常勤務

パイロットはフライト以外にもさまざまな仕事があります。パイロットの典型的な一日を一般的な国内線の例をあげて紹介します。

9:00 勤務地空港到着
10:00 気象解析や航空情報の確認を行い、フライトプランを決定
11:00 飛行機に乗り込み、客室乗務員、整備士と事前の打ち合わせを行い、出発準備
11:30 出発地空港離陸
14:30  目的地空港着陸。1時間後の帰りの便に向けて準備に入る
15:30  到着地空港出発準備
18:00 出発地空港到着
19:00 簡単な報告を済ませ、必要に応じて副操縦士とその日の振り返りを行う

飛行機は国内線の場合、朝の6時ごろから、夜の10時ごろまで飛んでいます。ですから、早朝の便と午後の便では、勤務時間が大きく異なります。国内線の場合、午前中から夕方のフライトに乗務するシフトと、昼過ぎから夜便まで乗務するシフトがあります。

出発準備は、その日の天候や必要な燃料の量を確認し、貨物、搭乗人員の重量をチェック。また、気流などの影響を最小限に抑える高度など想定したフライトプランを立てます。その他、空港敷地内や滑走路、滑走路周辺での工事の有無、乗務する飛行機に搭載された内容チェックや、乗客人数、介助や支援の必要な乗客などの確認も仕事となります。

飛行機に乗り込むと、コックピットのセッティングやオートパイロットの設定(飛行経路などを入力)、管制塔とやり取りをして飛行許可を得て、飛行機の外部点検・各部品の作動テストなどを行います。さらに、客室乗務員から出発準備完了の報告を受けて離陸となります。数多くの飛行機が離着陸する過密スケジュールの中で、規定の時間内で全ての作業を終えなければならないことから、かなりの緊張が強いられる時間帯といえるでしょう。

パイロットの勤務はシフト制

パイロットは、決まった航路を往復するわけではありません。その時々に割り振られた航路を運航することになります。そうしたシフトは1ヶ月ぐらい前に決まりオンオフのスケジュールが伝えられますが、当然ながら、一般的な企業のように定期的に土日や祝日が休みとはなりません。

国内線の場合は、日帰りで復路便に乗ることもありますが、長時間飛行となる国際線の場合は、現地に1、2日滞在後、復路便の乗務となります。勤務体制としては、国内線、国際線混合で勤務となっています。

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