なるため! 日本語教師その⑤

日本語教師を目指す人の傾向

大学を卒業したら外国で生活したいと夢を見ている人は少なくありません。コロナ禍の現在の実態をのぞけば、外国で働く選択肢はかなり幅広くあります。

日本語教師の職場の多くは外国にあり、そこで、将来、日本の大学に入学したい、日本の企業に就職したいという外国人生徒に日本語の基礎を教えることになります。コロナ感染症が一段落すれば、海外での日本語教師の活躍の場も復活するでしょう。

外国で働くためには資格が必要

海外旅行のついでに現地でアルバイトをと考えている人いませんよね。たとえ少額でも労働対価を受け取れば、違法です。外国で働くには、日本の法律、渡航先の法律に準じて行わなければなりません。

たとえば、日本料理の調理師資格を持ち、海外で寿司職人として働くことは許されますが、資格を持っていなければどんなに寿司を上手に握れても働くことはできません。どうしても海外で働きたいというのであれば、外交官、あるいは世界のあちこちに駐在所を持つ商社やメーカーに勤めるのが手っ取り早いのかもしれません。ただし、こうした場合、自分で望む地に赴任というのは難しいかもしれません。

そこで考えられるのが、和食の調理師資格を有して、海外ですし職人として働くという手です。ただし、資格を取得するには、高い技術と経験を積まなければ、そう簡単に働くことの許されるビザは発給されません。その点、日本語教師ならば、短期間で資格を取得も可能と、人気が高いようです。

自分の希望する国で働ける

将来は自由の国・アメリカで働きたいと日本語教師を目指す人は少なくありません。しかし、そこにはライバルもたくさんいます。つまり、住んでみたい国として人気の高い国は、日本語教師の志望者も多くいますので、就職が難しいということになります。

アメリカ以外にも、イギリスやフランスなどのヨーロッパや中国、韓国は倍率が高いようです。また、日本語教師として外国で働くためには、現地の言葉ができた方が有利に決まっています。もし、アメリカで働きたいと強く思うなら英語力を身につけるのが得策ということになります。いうまでもなく、英語はイギリス、カナダ、オーストラリアをはじめとする国々の公用語ですから英語力を持ち備えておいた方が有利でしょう。

外国語が苦手では、日本語教師は難しい?

英語圏やフランス、ドイツ、スペイン、イタリア、中国、韓国などは現地の言葉が話せた方が有利といえますが、その他の国々では、その国の言葉に堪能という人は、それほど多くはいないようです。たとえば、フィリピンではタガログ語を源流とするフィリピン語が公用語ですが、英語も並んで公用語となっています。そういった事情を考え併せると海外で働くなら英語はマストと考えたいところです。

もっとも、当初はその国の言葉をほとんど理解できないまま教師として赴任しても、生活をしていく中で語学力がついたというケースも少なくありません。

日本語教師の成功例

将来はアメリカで日本語教師をして暮らしていきたいという夢を見ていたものの、実際にはアジアの小国で日本語教師を始めたという教師に話を聞いてみました。

日本語教師としてアメリカとイギリスで就職活動をしましたが、まったく駄目でした。結局、国内にある日本語学校で週に7時限だけというアルバイト程度の仕事に就くのが精一杯。もちろん、その程度の収入では生活はできないので、その他のアルバイトをしていました。

そんなある日、学校の紹介で東南アジアの日本語学校で空きがあるということで、ぎりぎりではありますが何とか暮らしていけると判断して赴任しました。

その国の言葉はまったくできませんでしたが、半年ほどすると生徒が何を言っているかは理解できるようになりました。
実際に暮らしているので外国語の習得は自分でも驚くほど速く上達しました。外国語が習得できたことで自信がわき、スペイン語が堪能な先輩教師にスペイン語を教えてもらうことにもつながりました。

そして、3年後、先輩教師に誘われてスペインの日本語学校に赴任するチャンスが巡ってきました。憧れのヨーロッパでの暮らしがこうして始まり、今日に至っています。

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