このところ総合型選抜(旧AO入試)にて大学に入学した学生の成績が一般入試で入学した学生を上回っているという報告が多方面から出ている。
AO入試が採用された当初、推薦で入学した学生は、一般入試の学生より大学入学後、成績が劣るという声が多かった。そして、学力が追い付かないことから大学中退に追い込まれた学生も少なくなかった。
そうした推薦入学の学生を支援するため、多くの大学が大学で学ぶための基本となる科目の補習授業を行っていた。
しかし、総合型選抜や学校推薦という制度で大学に推薦で入学する学生が大学生の50%を超えるようになってからは、逆転現象が起きているというわけだ。
大学入試のための勉強がまったく無駄なこととは思わない。大学入学後に必要な学力をつけるためにはある程度は必要なものだと思う。しかし、それが行き過ぎてしまっているのがいけない。厳しい受験勉強で目的を果たした後、次に目指すものをなかなか見つけられない学生を多く生み出す現況ともなっているのではないだろうか。
大学に入学するまでは、大学合格という目標を持つが、それは自分が探し出したものではなく、まわりに与えられたものだ。自分で目標を探し出す経験が乏しいことから、受験後、なかなか目標を見つけられないでいるのだろう。これでは学習意欲が高まるわけもない。
一方、推薦入学を洗濯した学生は、大学入学後のビジョンへ向かって自主的に勉強するという、学習意欲を高く持って高校生活を過ごすなど、積極的に学ぶ習慣が備わっているのだろう。まさに、大学で学ぶということの当たり前の現象ということだ。
そうしたことが一般入試合格組と推薦入学組との成績の差になっているのではないだろうか。