大学入学後の学びの質を高めるための基礎学力を身に付ける

総合型選抜で入学した学生をフォローする教育

「入学者が大学での学びを更に高い次元で発展させるための力を身に付けられるプログラムや入試を実現したい」そんな思いを共有し、立命館大学とatama plus株式会社が協力してAIを活用した入試への新しいチャレンジメソッド「UNITE Program」―学部指定単元AI学習プログラム―を開発し、令和5年4月入学者を対象に総合型選抜で合格者37名を発表。

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この入試制度は、学科試験を実施しない総合型選抜において、大学入学後の学びの質を高めるために重要な基礎学力を、科目の各単元レベルまで細分化し指定したうえで、入学前にしっかり身につけてもらうことを目的としている。

学部での学びにおいて、特に重要な単元を指定し学習・修得することを出願要件に取り入れた入試、また、AI教材「atama+」を活用した入試は全国初。

高校で学んできた科目等の「履修歴」ではなく、指定単元の「修得」を出願資格とすることで、受験生は学ぶ意欲さえあれば、履修歴にかかわらず、誰でもチャレンジすることができることになる。

高校までの学びが大学での学びにどのように関連するのか具体的なイメージを持ったうえでこのプログラムで効果的に学び、高いモチベーションと学力をつけて入学後の学びに接続することが期待できるとみられている。

プログラム受講者は全国36都道府県から227名で、プログラム受講者のatama+での学習データを分析した結果、修了者の90%は指定単元の修了まで10日以上の継続的な学習を要していた。

また、単元ごとに実施される修得認定試験を全て1回で合格した受講生はおらず、修了するために何度も取り組む必要があった。このように修了までに一定の学習を要するプログラムだが、それでも諦めずにチャレンジしようとする受講者の学習意欲の高さも確認できた。

合格者のアンケート結果からは、約3分の1が学習指定科目(今回の指定科目は数学)に苦手意識を持ちながらも、当該学部で学ぶ意欲を持ちチャレンジしていることがわかった。

本入試の選択理由については、「志望学部の学びに数学的素養が必要となることを知り、入学前にしっかり学べる点に魅力を感じたから」「志望学部に必要な数学の素養を知ったが、商業高校で数学を十分に学べていなかったから」といった声があがっており、大学での学びにつながる学習への関心の高さがうかがえたという。

今年度も合格者の入学前教育においてatama+を活用し、より高度な内容の学習を進め大学での学びに備えてもらうとし、また、今回の成果を他大学に共有し、本取り組みのきっかけとなった「新しい高大接続と入試の在り方を考える共同研究会」を他大学とともに発展させていくという。

次年度以降は、現行学部の募集枠の拡大に加え、他学部や立命館アジア太平洋大学への展開と、数学以外の教科導入の検討を進めているという。また、定量化・可視化された学習情報を活用し、新しい高校と大学の学びの接続を推進していくようだ。

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