なるため! 日本語教師その②

日本語教師の仕事

日本人であれば、誰でも外国人に日本語を教えられるような気がしますよね。でも、正確な日本語を教えてといわれると、俄然、ハードルが高く感じるのではないでしょうか。それはそうでしょう。私たちが日常的に喋っている日本語は、常に正しいかと問われると、決してそんなことはないからです。言葉を教えるには、それ相応のスキルが不可欠でとても憧れだけで務まるものではありません。

教師という仕事

小中学校や高校の教師になるためには、大学や短大で教職課程を履修し、必要な単位を修得して、教員免許を取得しなければなりません。さらに、教壇に立つためには各自治体の採用試験に合格するという道のりを経なければなりません。

一方、日本語教師になるための教員免許というのは存在しませんが、日本語という語学を教えるための知識を大学や専門学校で学び、また、教育・指導するための知識やスキルを身につける必要があります。

生徒のレベルの差をどう対応するか

日本語教師にとって一番の頭痛の種が、受講する生徒各自の日本語能力や就学能力に大きな開きがあることだといわれています。なるほど、生徒はあらゆる国から来ているわけですから、教育レベルも違いますし、学生もいれば、社会人、さらには、母国で日本語を教えるために受講というケースやビジネス目的というのも少なくなく、勉強する覚悟や目指す方向性も異なるため、教壇に立つには、幅広い対応能力が求められます。

日本語教師に限らず教師の最初の仕事は、受け持ったクラスの各生徒のレベルを知るところから始まります。生徒一人ひとりの個性や能力を把握したら、クラス全体のレベルに合わせた学習指導書を作成し、さらに個別指導のプログラムも作成しなければなりません。こうした基本的なことを学べるのは、大学や専門学校の日本語教育科目です。このような教育機関で教師としての基礎を築き、実際に現場に出て教師としての経験を積み重ねてスキルをアップさせていくことになります。

生徒の能力と個性を知る

教師はまず生徒の個性や特性を理解し、それぞれの能力に合わせて指導していくことになります。ある生徒は会話能力があるものの、文法が苦手。一方で、文法の理解能力は高いものの、会話がいまひとつという生徒もいます。そうした能力差を考慮して授業を進めるには、きめ細かい工夫が必要で、例えば、能力が高い生徒には、さらなる課題を提供し、レベルの低い生徒には補修試験などを提供し、クラスの平均レベルに追いつけるような指導をしなければなりません。

しかも、授業は学校が作り上げたプログラムに則って進めていくことも重要な使命になります。個人差を埋めることとプログラムに準じた授業というのは相容れないことが多く、両立には大変な苦労を伴います。それでも生徒の成長がなによりの喜びとなり、もっと続けていこう、次はこんな工夫をしてみようといった仕事へのモチベーションになるという声は少なくなく、多くの教師のやりがいになっているようです。

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