日本語教師の日常
日本人なのだから日本語なんて簡単に教えられると思っている方、案外、多いようです。しかし、日本人だって知っているようで知らない言葉はたくさんありますし、間違って覚えている言葉も少なくありません。日本語教師としてそうした間違い、勘違いがないかを常にチェックし、さらに教師としてのレベルを向上しようという姿勢が生徒や学校から寄せられる信頼ということになります。
また、教科書を素読みしただけでは、そこで使われている日本語を生徒に正しく教えることができないことも多々あり、予習は欠かせない仕事になります。そういった意味では、教師の仕事は、宿題や課題を出された生徒と同じくらい大変といえるのかもしれません。
ここでは、日本語教師が体験する一日を探ってみました。
職員会議で教師間の情報共有をする
始業時間は9時というのが一般的です。教師は少なくともその1時間前には登校して、1日の時間割や行事などのスケジュールのチェック。さらに、その日の課題について最終確認を行います。
一般的に1クラスを3人の教師が分担していますので、それぞれの教師同士が授業の進捗状況や生徒の情報を共有します。さらに、授業開始前に職員会議が行われ、そこで学校全体の連絡事項や問題点、課題、学校行事について話し合います。
教師一人が受け持つのは3クラス程度で、高校の授業スタイルと同様、時間割ごとに教師がクラスを渡り歩く形になります。授業一コマは90分で次の授業との間に10分の休憩時間をはさみます。午前中に2コマの授業を行い昼食タイムとなります。
昼休みは生徒とのコミュニケーションタイム
お昼は職員室に戻り昼食をとりますが、一般的な企業と違って、のんびり過ごすというわけにはいきません。食事をしながら他の先生と情報交換をしたり、生徒が相談ごとで職員室を訪ねてくるケースも少なくありません。高校生の皆さんも覚えがあると思いますが、学校にいる間の自由時間というのは限られていますから、昼休みは生徒と先生の距離を縮める絶好の時間ともいえるのです。ここで教師と生徒の信頼関係が生まれ、それが学習意欲となることも少なくありませんから、教師にとって昼休みは重要な仕事時間となります。
自分の時間を作る
午後は4時半くらいまでに2コマの授業を行います。授業を終えると職員室に戻り、同じクラスを受け持つ教師同士で授業の進捗状況や生徒の理解度などといった情報交換を行います。また、放課後も生徒が面談などに来ますので、授業の終わりが仕事の終わりとはいきません。その後、テストの採点や授業で使用する道具や材料などの作成などに時間を費やします。さらに、翌日の予習などをこなさなければなりませんので、2時間は学校で仕事を続けることになるでしょう。